「みんなの意見」は案外正しいを読んで

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タイトルを見ると、以前だったら絶対読まない本なんですが、Web2.0の本を読みあさっていると、最終的には、ここに行き着くようなので、気になって読んでしまいました。

が、最近は、会話形式の本を読むのがベースとなっていたので、ぎっしり文字の本を読むのが久しぶりで、時間がかかってしまいました。また、内容には興味があるのですが、文章が僕には難しかったです。

でも、内容は題名のとおりでした。

まず、

アメリカ版のクイズミリオネアの話で、惹かれてしまいました。
ミリオネアでは、答えに詰まれば、ライフラインという3つの救済策があります。

  • 4択を2択に出来る 50:50
  • 答えてくれそうな人に電話が出来る テレフォン
  • スタジオの人に問題を解いてもらう オーディエンス

があります。
このうち、文字通り、
50:50は、正解率が50%
また、プロフェッショナルに聞くテレフォンの正解率は、65%
一番驚いたのは、オーディエンスの正解確率。91%の正解率が出ているということです。

また、大学での研究で、

ビンに入っているキャンディの数を当てるという実験をしたようです。
ここでの実験では、一番近い人よりも、みんなの平均を取った方が、近い値がでるということも書かれていました。

これが序盤に書かれてあり、はまってしまいました。

また、集団思考の怖さも書いてました。
僕はこれは、催眠商法とかに繋がるのではと読んでいましたが、
10人ぐらいの集団の中に、はめる人を1人で他の人すべて「さくら」で、さくらの人は全て間違った答えを出すと言うものでした。実際7割の方が間違った答えに導かれたとのことでした。

実際、自分でも、もし、100人が集団で何もない空を見上げていると、見てしまうと思いますし・・。1人やったらはまってしまうのでしょうか??
→実際この実験のことも書かれていました。

映画についての話もありました。

映画館ではヒットしなかった映画が、レンタルでは1位になっている場合があると。
これは、市場が映画ほどの金額は払えないが、レンタルの金額は払えるという評価だということでした。

実際、僕もそう思いますし、映画によって値段が変わってもいいのではないかとも思います。

また、次の実験では

ニューヨーク市で誰かと会わなければいけない。どこでその人に会えるかわからないし、会う前にその人と話す手段もない。さて、どこに行けばいいだろうか?

という質問を学生に質問すると
大多数の学生が全く同じ「グランドセントラル駅の案内所」という場所を選んだと言う。
また、何時に問い問いにも、ほとんど全員が12時と答えたという。
これってやはり、相手のことを考えての答えだと思いますし、面白かったですね。

後、税金については

みんなに税金を負担してもらう為には、3つの信頼が重要になる

  • 人々がある程度自分の周りの人間を信頼し、相応の義務を果たすだろうとする信頼
  • 政府への信頼
  • 国家が悪者を探し出して罰してくれるし、ちゃんと払っている人は罰しないという信頼

が必要なのではないかとのことでした。
確かにそうでしょうね。また、日本においては、年金についても同じことが言えるのではないでしょうか?

最後に、
SARSウイルスの研究が一番今後において重要な実験かなと思ったので書かせてもらいます。

WHOは、SARSが危険だと警告を発するだけではなく、病原体を追求するために、10カ国の研究所が協力した。毎日研究成果を共有し、その分析や実験結果がウェブサイトにアップされた。そのデータを元に複数の研究所が同時に同じサンプルを利用して研究を進めることが出来た為、効率性も大幅に改善されたようです。そのため、1ヶ月足らずで、原因の追求ができたとのことでした。

しかし、これは、複数の研究所で、同じ研究をしていたかもしれないリスクがあるかもしれませんが、1つの研究所だけでは、何ヶ月、何年もかかっていたかもしれないものがわずか数週間で解決できたのは凄いことです。
LINUXについても、このような感じで今も開発されていて、脆弱性が発見されれば、すぐさま改修されていくというものです。これに似ていると思います。

こういう方法が、今後は主流になっていくように感じてしまいました。今のところは。